FD部門
※2023年度は募集を行いません。
プログラム内容紹介
実務家教員として活躍されている方、及び実務家教員養成に関連する教育プログラムを修了した方の「教育・研究能力の質保証」に貢献することを目指し、実務能力・教育指導力・研究能力を継続的に更新していただくためのFaculty Developmentプログラムを提供します。
実務家教員FDプログラムの開講科目は下記の通りです。対面方式とオンデマンド方式により実施します。
オンデマンド方式の科目は、各自で動画をご視聴いただいた後に、課題に解答・合格していただくことで受講完了となります。
領域 | 科目名 | 概要 |
実施 方式 |
時間(分) |
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メタ理論 |
知の理論(発展) | 知の創造・普及・伝達の基礎となる「知」そのものへの理解を深め、あらゆる「知」とは何かを考察することを目的とします。 | オンデマンド | 90 |
実践と理論の融合(発展) | 「実践と理論の融合」の基本的な概念を解説をもとに、「実践と理論の融合」の社会的役割、及び高度職業専門人の素養の1つである「理論と実践を架橋する」ことの意義を検討することを目的とします。 | オンデマンド | 90 | |
教育に関する理論 |
実務家教員論 | 実務家教員が社会において果たすべき役割や、求められる能力について理解を深めることを目的とします。 | オンデマンド | 45 |
高等教育史 | 日本と世界における高等教育制度、高等教育機関の誕生、発展プロセスについて歴史的観点から解説いただきます。講義を通じて、受講者が高等教育の意義や使命、理念についての理解を深め、高等教育機関の果たすべき機能、及び教員としての役割を認識してもらうことを目的とします。 | オンデマンド | 90 | |
高等教育政策論 | 近年の日本の高等教育に関する政策や法制度(教育制度、財政制度、入試制度等)について、解説いただきます。講義を通じて、受講生が高等教育機関の運営に関する政策的背景、動向、法制度についての理解を深め、政策的視点から高等教育機関の運営を客観的に捉えることができるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 90 | |
国内外の高等教育動向 | 近年の高等教育制度、高等教育と産業社会との繋がり、高等教育機関の社会的機能について、日本を含めた海外との国際比較をもとに解説いただきます。講義を通じて、国際比較の観点から、受講生が日本の高等教育制度、機関が有する特徴、課題についての理解を深め、今後日本の高等教育に求められる対応について考えられるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
教学IR | 日本の大学における教学IRについて、何を目的として、どのような活動が行われているのか、どのように大学運営に活用されているのか、一連のプロセスについて解説いただきます。講義を通じて、受講生が大学運営の実態について理解を深めることに加え、大学運営を捉える際の視角を身に付けることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
教育技術実践
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インストラクショナル・デザイン(講義) |
高等教育機関における授業設計や教育方法を考えるうえで、インストラクショナル・デザインに関する理論について解説いただきます。講義を通じて、受講生がインストラクショナル・デザインに関する理解を深め、どのように授業を設計するか、どのような教育方法を採用するか等、教育実践に移すにあたっての基礎的理論を把握することを目的とします。 |
対面 | 90 |
インストラクショナル・デザイン(WS) |
インストラクショナル・デザインに関する講義を踏まえ、受講生にワークショップ形式で理論に基づいた実践に取り組んでもらい、その実践をファシリテートいただきます。ワークショップを通じて、受講生がインストラクショナル・デザインの理論に基づいた教育実践上のスキルを修得することを目的とします。 |
対面 | 90 | |
シラバス検討ワークショップ |
シラバスを作成するにあたって、意識することは何か、どのようにして作成するか等、受講生が実際にシラバスのフォーマットに必要事項を記入し、受講生同士で内容を検討し合うことを通じて、シラバス作成方法の理解を深めることを目的としたワークショップ形式の科目です。ワークショップを通じて、受講生のシラバス作成能力を向上させることを目指します。 |
対面 | 90 | |
授業方法・学習評価 | 授業実践を行う上で、とりうる多様な授業方法、及び学生の学習成果の評価方法について、実践的な取り組みを通じて理解を深め、授業づくりのスキルを習得・向上させることを目的とします。 | 対面 | 270 | |
学生対応
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大学生の心理・心理的サポート |
多様な学生、特に発達特性のある学生の理解・サポート方法について考える機会とする。発達障害の基本的理解とともに、よくある事例に対して理解を深めながら対応スキルの向上を目指す。 |
オンデマンド | 90 |
現代学生論 | 現代における大学生を取り巻く社会的状況の変化、大学生の特徴、多様化について、過去の大学生との比較も含めて解説いただきます。講義を通じて、高等教育機関の教員として、現代社会における大学生に対する理解を深め、学生対応を考える上での基礎的情報を把握することを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
大学生の発達と学習 | 発達心理学・キャリア論の観点から、大学生の発達の特徴、及びその学習への影響について解説いただきます。講義を通じて、受講生が高等教育機関の教員として、学生に対してどのような教育や介入が求められるか、発達心理学・キャリア論の観点を踏まえ、学生の視点に立って考えられるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
ハラスメントについて考える | 大学におけるハラスメントの実態や事例に関する講義とワークショップを通じて「ハラスメントとは何か」「なぜハラスメントとなるのか」を考えられるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 90 | |
研究・論文執筆・実務能力の更新 | 省察的実践(講義) | 省察的実践の理論、実践方法について、講義、ワークショップを通じて理解を深め、研究者として活躍していく上での1つの研究の方法論を獲得することを目的とします。 | 対面 | 45 |
省察的実践(ワークショップ) | 45 | |||
実務家教員の研究テーマ | 研究をはじめる前段階として、実務家教員にとって研究がいかなる位置づけにあるのか整理します。そのうえで、自らの興味関心を「研究可能なテーマ」へと昇華するための方法論について解説します。講義を通じて、受講生が自らの興味関心に基づいて、意義のある研究テーマを設定できるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
先行研究調査と調査方法 | 研究を進めるにあたって、先行研究の到達点や課題、用いた視角や方法論について理解する必要があります。そのために、自らの研究テーマに関連する文献の検索方法について実践的に説明するほか、量的研究方法・質的研究方法の基本的な考え方についても解説します。講義を通じて、受講生が方法論についての基本的な理解をもとに自らの研究テーマに関連する文献を検索できるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
学会発表の方法 | 学会等における口頭発表・ポスター発表について、どのような内容を資料に記載し、どのようにプレゼンテーションすればよいのか、実際の学会発表を素材として検討していきます。講義を通じて、受講生が講義内容を踏まえた的確な資料作成およびプレゼンテーションができるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
論文のまとめ方 | 論文をまとめるにあたって含まれるべき要素はなにか、どのようなことを意識して執筆すればよいかといった点について解説します。講義を通じて受講生が自らの論文に必要な要素を認識し、他者に伝わりやすい説得的な論文を書けるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
研究倫理と研究公正 | 高等教育機関の研究者として守るべき研究倫理とは何か、研究倫理を守るうえで必要な行動、研究倫理を違反することで何が起こるのかを中心に解説します。講義を通じて、受講生が研究倫理に対する理解を深め、研究倫理を遵守することの社会的意味を考えられるようになることを目的とします。 | オンデマンド | 45 | |
実務家(教員)のネットワーキング | 実務家、あるいは実務家教員同士のネットワーク形成を通じて、互いの教育研究について理解を深めたり、実務家教員を目指す、または実務家教員として働くうえでの利点や課題について理解を深めることを目的とします。 | 対面 | 90 | |
実務能力の更新 | 高等教育機関に在籍しながら、いかにして実務能力の更新を図っていくのか、その方法論について学ぶことを目的とします。 | 対面 | 90 | |
合計受講時間 | 1800 |
※1 実施方式、時間は変更になる可能性があります。
※2 上記の科目のほか日本実務教育学会の大会シンポジウムへの参加を推奨しております。日本実務教育学会のサイトはこちら。
※3 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、対面で実施予定の科目は、リアルタイムでのオンライン方式に変更になる可能性があります。
講師紹介
川山 竜二 先生 社会構想大学院大学 学監 |
福留 東土 先生 東京大学大学院 |
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伴野 崇生 先生 社会構想大学院大学 |
両角 亜希子 先生 東京大学大学院 |
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橋本 純次 先生 社会構想大学院大学 |
向後 千春 先生 早稲田大学 |
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渡邉 卓也 先生 京都大学 |
土元 哲平 先生 立命館大学 |
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山内 浩美 先生 早稲田大学 |
望月 直人先生 大阪大学 准教授 |
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甲斐 晶子 先生 青山学院大学 |
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実務家教員に必要な三能力(このプログラムで身につく能力)
本FDプログラムを受講いただくと、実務能力、教育指導力、研究能力が身につきます。具体的な能力は下記の通りです。
実務能力
○実務に関わる主要な人・組織とのネットワークを構築する能力
○自らの実務領域における知見を常に更新する能力
○自らの実務領域についての最新の知見を踏まえ、今後の動向に関する見通しをもつ能力
研究能力
○自らの実務経験で蓄積した暗黙知を言語化し、形式知にする能力
○関連する学術領域における知見や動向に常に注意を払い、実務的な知見を、既存の学術領域との関係を踏まえた上で体系化する能力
○実務的・学術的な知見を、学術的なルールに則って論文執筆、または研究成果報告、実践報告をする能力
教育指導力
○高等教育政策・制度や大学を取り巻く環境などについて基礎的知識を理解した上で、職務に従事する能力
○シラバスや授業計画の組み立て方を理解し、実践する能力
○講義・演習の目的に照らして効果的に授業を運営する能力
○授業を適切に振り返り、自身の授業の質を担保・向上する能力
○学習者の多様性、個別性に対応する能力
○学内外のリソースとつながり、連携・協働を行う能力
○高等教育政策・制度や大学を取り巻く環境などについて基礎的知識を理解した上で、職務に従事する能力